親が高齢になって、日頃の食事が心配でご飯を運んであげたい。しかし、自分自身も忙しくてずっと運んであげる自信がないのですね。
介護食のレシピも、作り置きができるのですよ。
今は、共働き家庭が多く、家事を効率化できる作り置きはブームになっています。
高齢者向けのちょっとした工夫が必要ですが、慣れるとかなりスムーズに料理を作ることができるようになります。
あなたの親孝行をしたい気持ちを応援します。ぜひ、最後まで読んで下さいね。
介護食のレシピを作り置きで考えよう
介護食のイメージって?
介護食...まだ自分には必要ではなく、想像もできないかもしれません。
しかし、高齢者にとって、今まで食べていた料理が自分の命にかかわる場合もあるのです。
そう考えると、難しそう、手間がかかりそう、お金もかかりそうというイメージを持っている人もいます。
作り置きのメリット
一番のメリットは、毎日台所に立つ必要がなくなること。調理の時短になり、家事の効率化を図ることができます。
また、実家に頻繁に運ぶ必要もなくなるので、あなたが時間を有効に使うことができます。
仕事に家事に子育てと、髪を振り乱して頑張ってきて、ようやく子育てから解放された。
ようやく自分の時間を持てると思ったら、子供の成長とともに自分も親もいつの間にかいい歳になっているのです。
あなたにも自分の人生があります。お互いのためにも、時間は有効に使いたいですね。
介護食レシピの作り置きは時短になる
介護食の作り置きが時短というメリットがあると言いました。
しかし、作り置きでも、効果的なやり方があります。
身近な食材で作ることができる
どこのスーパーに行ってもある食材で作ることができる料理であることが大切です。
高級であったり、珍しい食材は、手に入れるのが難しく、買い物だけでも大変になります。
簡単な調理でいい
電子レンジや和えるだけ、煮るだけなど、簡単なことが大切です。
手間がかかる料理は、だんだん億劫になってしまいます。
飽きない豊富なバリエーション
レシピにバリエーションが多いほうが、作り置きのメニューを決めるときに便利です。
身近な食材で、できるだけ多くのレシピを考えておくのがコツです。
わざわざ、買い物に行かなくて済みます。
アレンジができる
シンプルな料理をべースに、食材や調理料を足したり引いたりすることで、バリエーションを増やすことができます。
介護食レシピの作り置きでの注意点
衛生管理
食事作りは重要なことですが、高齢者は特に食中毒を起こさないように、衛生管理には気を付けましょう。
実家が遠く、月1回などの場合は冷凍になるかもしれませんが、基本は冷蔵が好ましいです。
冷蔵・冷凍それぞれメリット・デメリットがあります。
- 冷蔵...2〜3で食べきる必要があるが、おいしく食べられる
- 冷凍...1か月程度もつが、パサつきやすい
また、冷凍にしていると、「まだ食べなくていい」と思われがちですので、注意が必要です。
衛生管理のポイント
- 汁気のある料理は、全体を汁に浸す
- 汁気のない料理は、汁気を切る
- 空気に触れないように、きちんと密閉する
- 料理が冷めてから詰める
食べきりの分量
高齢者は、目の前に”ドーン!"と料理を置かれると、それだけで食べる気がしなくなることがあるようです。
働き盛りの頃に比べて、運動量が減っている人も多いと思います。
したがって、1回で食べきれる量を見ておいて、食べきれる量で盛り付けましょう。
使い捨て食器の使用
衛生面でもメリットがあるのが、使い捨て食器です。
また、電子レンジ使用可能なものを使っておくと、温めるだけで食べられて、食べた後は捨てるだけで、洗い物も出ません。
主菜と副菜をセットにしておく
作り置きのメリットは、一度にたくさんの料理をバランスよく作ることができることです。
しかし、栄養のバランスなど、食べる側からは分からないこともあると思います。
1回分の食事をセットにしておけば、組み合わせに迷うことなく食べてもらうことができますね。
一汁一菜の形で、主菜+副菜の形がベストでしょう。
介護食づくりのポイント
調理の工夫
特養で管理栄養士をする私でしが、高齢者でも問題なく食べられると思っても、硬いと言われることがありました。
私たちが大丈夫だろうと思っていても、歯が悪い・噛む力が弱っているなど、様々な配慮が必要です。
食材の切り方や調理法など、工夫をしましょう。
調理の工夫
- 切り方...野菜などは小さく、また薄く切ったほうが食べやすい。肉は、ひき肉にする。
- 調理法...煮物にすると、水分があってやわらかく仕上がる。揚げ物、焼き物は硬くなりがちです。焼き魚はつけ焼きにするなど工夫が必要になります。揚げ物も、ソースで絡めるなど工夫をしましょう。
高齢者向きの食材、避けたい食材
高齢者にとって食べやすい食事とは、昔から食べなれた食事です。
郷土料理や刺身、天ぷら、煮物などはこのまれるでしょう。
また、味付けがはっきりしているものも好まれます。高血圧や健康を気にして薄味にしても、食べてもらえなければ意味がありません。
それでは、高齢者が避けるべき食材はどんなものでしょうか。
- 水分が少なく、飲み込みにくい...さつまいも
- 硬く、口の中でばらばらになるもの...ピーナッツ
- うすっぺらい形状のもの...のり、わかめ
- 粘り気が強いもの...もち
- 弾力があるもの...かまぼこ、こんにゃく
- 酸味が強いもの...酢の物
- 粉っぽいもの...きなこ
- 繊維が多く、硬いもの...ごぼう、たけのこ
- 煤利上げて食べるもの...麺類
- 液体
それぞれに、むせやすい理由があります。これらの食材すべてがむせるわけではありません。
あなたの親にとって、何がむせやすいかをしっかり見てあげてください。
とろみ剤を使った料理の取扱い
嚥下機能が低下すると、水分でむせるようになります。
お茶やみそ汁だけでなく、煮汁でもむせることはあります。
そんな人は、あんをかけたり、とろみ剤でまとまりをつけたりします。
そんな料理の保存については、冷凍保存するのはやめましょう。
解凍後、とろみ具合が変化している場合があります。
嚥下食の課題
噛む力・飲み込む力が弱くなると、刻んだり、ミキサーにかけたりして食べやすくします。
特に、ミキサー食は出汁などを一緒にまぜないとミキサーが回らないので、とうしても水分が多くなり、栄養量は減少します。
したがって、栄養量を確保するためには、少量で高栄養になる料理を考えないといけません。
また、飲み込む力が弱い場合、一人ひとりむせやすい食材が違います。
また、適切なとろみ具合も違うため、一人ひとりに合わせることが大切です。
これが、とても大変なのですが、野菜に含まれる水分は種類によってちがいますし、時期によっても違います。
そのため、同じとろみ剤を使っても、同じとろみ具合にするのがとても難しいです。
とろみ具合を均一にするのは、嚥下食の課題と言えるのではないでしょうか。
まとめ
- 介護食は作り置きにする時間も体力も効率化できる
- 介護食の作り置きのレシピは、身近な食材で和えるだけ、煮るだけなど簡単なものをストックしよう
- 少ない食材でレシピを考えると、アレンジしやすい
- 高齢者への食事は衛生管理に注意し、使い捨て食器を使って食べきる量で盛り付けよう
- 親の噛む力・飲み込む力を把握し、適切な調理の工夫をしよう
- 飲み込む力が弱ったら、とろみ剤の使用も考えよう
忙しい中、大切な人を思って作る介護食。気負わず、自分のついでに作るつもりで続けてみましょう。
作り置きを頑張って作るあなたの気持ちはきっと伝わっているはずです。