三月三日。ひな祭り。
ご近所さんの立派な雛人形が我が家で飾らせて頂けることになりました。
うれしくて、ご近所さんと気軽な春のパーティー・・・のつもりが、私が張り切ってしまい...
ひな祭りといえば、ちらし寿司。
でも、子どもたちは野菜がちょっぴり苦手。
錦糸卵やれんこんよりも、まぐろとサーモンがいいというので、ころんと丸いてまり寿司にしました。
あとは、みんな大好きな唐揚げと、じゃがいもから作ったフライドポテト。
ハムとクリームチーズのピンチョスも並べると、食卓は一気ににぎやかに。
友人が焼いてきてくれたふわふわのシフォンケーキまでそろって、春色の食卓ができあがりました。
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ところで、なぜひな祭りにちらし寿司なのでしょう。
三月三日は、もともと「上巳(じょうし)の節句」。水辺で身を清め、穢れを流す行事がはじまりでした。
そこに、女の子の健やかな成長を願う思いが重なり、今のひな祭りの形になったそうです。
ちらし寿司は、実は“決まり”ではありません。
でも、えびは長寿、れんこんは見通しがきく、豆はまめに働く……と、縁起のよい具材を一皿に込められる料理として広まったといわれています。
はまぐりのお吸い物も、対になった貝殻がぴったり合うことから「良縁」や「一生添い遂げる」という意味が込められています。
そして、菜の花。あの鮮やかな黄色は、春の訪れそのもの。
ほろ苦さは、冬から春へと切り替わる命の味です。
昔の人は、食卓に願いをのせていたのですね。
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でも今年、わが家のひな祭りに並んだのは、てまり寿司と唐揚げとポテト。
それでもいいのだと思いました。
大切なのは、決まりを守ることよりも、春を祝う気持ちと、みんなで囲む食卓。
保存性や縁起が重んじられた時代から、今は「楽しい記憶になること」が、いちばんのごちそうなのかもしれません。
来年は、菜の花を一皿添えてみようかな。
そんなことを思いながら、春の夜が更けていきました。