3年前、近所の元研究員のおじいちゃんから「柿酢」という存在を教わりました。
当時の私はその存在すら知らず、おじいちゃんの庭で採れた柿を分けてもらい、二人三脚で仕込みをスタートさせました。
「瓶に入れるだけでいい。何もしなくていいんだよ」 その言葉を信じて始めた柿酢作りが、あんな結末を迎えるとは思いもしませんでした。
過去の失敗:なぜ「マジックインキ」の匂いがしたのか
当時はネットにも情報が少なく、言われた通り「放置」を続けました。
しかし、日が経つにつれ、部屋に漂い始めたのは酢の香りではなく、鼻を突く「マジックインキ」のような匂い。
おじいちゃんと顔を見合わせ、泣く泣く全てを廃棄したのが3年前の苦い思い出です。
今振り返ると、あれは完全な「酸欠」でした。発酵を促す菌たちにも呼吸が必要なのに、私は彼らの息の根を止めてしまっていたのです。
再挑戦:デイサービスの利用者さんから届いた20個の柿
今年、柿が記録的な大豊作を迎えました。勤務先の老人ホームの利用者さんから、ずっしりと重い20個の柿をいただきました。
「もう一度、彼らと向き合ってみよう」と決意しました。
今年の作戦は「菌との対話」です。 最初は毎日欠かさずかき混ぜ、空気を送り込みました。
すると数日後、表面にポツポツと小さな穴が開いているのを見つけたのです。
それは、菌たちが元気に呼吸をしている証でした。「これだ!」と確信した瞬間です。
現在の状況:1か月半、台所に漂う「酸っぱい予感」
泡が落ち着き、菌たちの呼吸がゆっくりになったのを見計らって、現在は静かに見守るフェーズに入っています。
3年前のあの嫌な匂いはありません。代わりに、少しずつ、でも確実に「酸っぱい、良い香り」が台所に漂い始めました。
仕込みから1か月半。野生の菌たちが柿を酢へと変えていく奇跡を、今度こそ最後まで見届けたいと思います。

3年前の失敗があったからこそ、今の私は菌たちの小さな「呼吸の跡」に気づけるようになりました。
柿酢作りも食品選びも同じです。「何となく体に良さそう」「何となく怖そう」という曖昧な状態から、「なぜそうなるのか?」という根拠を知ることで、台所の不安は確かな安心に変わります。
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