発酵

発酵食品愛好家必見!みりんの奥深い世界へようこそ

みりんってどうしても残りがちで、使い方が分からない。味付けは砂糖で充分、みりんと砂糖の違いも分からないという人も多いと思います。

「調理は科学」と言われますが、調味料の役割を知ることでより料理をおいしく、そして楽しんで料理ができるようになります。

私はほとんどみりんを使うことがなかったのですが、みりんの役割を知り、そして発酵食品であることを知ってかなり使うようになりました。

みりんは、味だけでなく料理全体をグレードアップさせてくれますよ。

料理の甘味づけには、砂糖だけでなくみりんを使ってみませんか。

是非、最後まで読んで頂き、実際にみりんで料理をしてみてくださいね。

みりんの種類と特徴:本みりん、みりん風調味料、それぞれの魅力

みなさんは、みりんの原料を知っていますか。

40%程度のアルコールに蒸したもち米と米麹が原料。これらを合わせ、約2か月熟成させて粕をしぼってできるのがみりんです。

これは、昔ながらのみりん。今では、大きく3種類に分けられます。

純米本みりん

もち米、焼酎、米麹のみで作られます。ほかに、何も混ざることはありません。アルコール濃度約14%あります。とてもおいしいです。

お酒のかわりに飲まれていたのも、納得です。

本みりん:深い味わいの日本伝統調味料

もち米、米麹、醸造アルコールに水飴などの糖類が混ぜられます。アルコール濃度は、約14%。これでも、十分おいしいです。

みりん風調味料:手軽に使える万能調味料

米、米麹に砂糖やブドウ糖などを合わせて作られた調味料。塩分を含むものもあります。

アルコールは添加されないため、アルコール濃度は1%程度です。

みりんの3大産地

  • 流山みりん(千葉県流山市)
  • 三河みりん(愛知県三河市)
  • 手柄山みりん(兵庫県姫路市)

流山みりん、三河みりんは、こだわりのある人には知られています。

しかし、私が住む姫路の手柄山みりんは、知る人ぞ知るみりんの産地ではないでしょうか。私は、この手柄山みりんを使っています。

三河みりんは、知多半島は醸造業の盛んな地域で、酒粕から作られた焼酎を使って作られていたという歴史的背景があります。

また、流山みりんは白みりんで有名ですね。色をつけたくない料理には最適です。

実は兵庫も灘や伊丹が酒どころであり、酒粕がたくさんとれます。三河みりんと同じように、焼酎がたくさん作られていたようです。

ここで、全国のみりん生産量第3位まで発表します。

みりん全国生産量ランキング

  1. 愛知県
  2. 兵庫県
  3. 千葉県

以下、少量。上位3位までがダントツに多いようです。

発酵の力!みりんが料理に与える影響とは?

みりんは、甘味を付けることだけが役割ではありません。

発酵食品であるからこそ、できた役割もあります。ぜひ、そんな役割を役立ててみませんか。まずは、みりんの製法から解説します。

昔ながらのみりんの製法

(材料)

  • もち米
  • 米麹
  • 焼酎

みりんの製造手順

  1. もち米を蒸す
  2. 米を蒸し、麹をつけて製麹する
  3. 1と2、焼酎を合わせて発酵させ、もろみをつくる
  4. 約2か月後、もろみを絞る
  5. ろ過
  6. 火入れ
  7. ビン詰め

みりん粕って何?

知らない人も多いのではないでしょうか、みりん粕の存在を。

私もそうでした。何それ?どこで売ってるの?

私が使う手柄山みりんでは、みりんを絞る時期の6月頃から販売し始め、ネットでは時期によってはSOLD OUT。

お酒の絞りかすのように、みりんにも絞りかすが出るのです。

これを食べたくて探し回りましたが、時期がずれると入手できません。

酒粕の替わりとして、様々な使い方ができます。見つけたら、ぜひ購入してみてはいかがでしょうか。

みりんの役割とは

味付け以外の頼もしい役割がありますね。スーパーに並ぶ商品だけでなく、取り寄せする価値もありますよ。

  1. コクとうま味、甘味をつける...発酵によってブドウ糖やアミノ酸が作られる
  2. 煮くずれ防止...発酵で作られたアルコールと糖分の働き
  3. 魚などの臭みをとる...発酵で作られたアルコールの働き
  4. 照りをつける...糖+タンパク質→化学反応

みりんを使った簡単レシピ:発酵の力で食卓を豊かに

本当に簡単にできるので、一度作ってみてください。

絶対試してみて!みりん干し

(材料)

  • いわし、さば、アジなど
  • こいくち醤油
  • みりん

※こいくち醤油:みりん:酒を4:3:2の割合で合わせます。甘味などは、好みに合わせて調整するとよいでしょう。

(作り方)

  1. 調味料を合わせ、鍋で火にかけアルコールをとばし、しっかり冷ます
  2. 合わせ調味料を容器に移し、魚を漬け込む(約2時間)
  3. 天気がよい日に2時間程度干す

※漬け込む時間や干す時間は、好みに合わせて調整しましょう。

やわらかい大学芋

(材料)

  • さつまいも...250g(大1本)
  • みりん...80cc
  • しょうゆ...小さじ1/2
  • 油...適量
  • 黒ゴマ...適量

(作り方)

  1. さつまいもを乱切り(拍子切りでも!)にする
  2. 油で素揚げにする
  3. 調味料を合わせ、煮詰めてアルコールを飛ばす
  4. さつまいもをフライパンに入れ、調味料と絡める
  5. 黒ゴマを全体に振る

まとめ

  • みりんは発酵食品である
  • 純米本みりん、本みりん、みりん風調味料の3種類がある
  • 本物のみりんはかなりおいしい
  • 荷崩れ防止、臭み取り、照りを出すなどの働きをもつ

発酵ブームに加えて、歳をとったこともあり、調味料が料理に与える影響の大きさを実感しています。

調味料なんてどれも同じ...とは考えず、ぜひ本物を使って頂きたいものです。

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